尾てい骨に腫瘍ができた時とは?

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ここでは、「尾てい骨に腫瘍ができた時」
についてお話します。

 

尾てい骨は骨盤を作る骨の一つで、
骨折しやすい骨です。

 

尾てい骨のトラブルの多くは打撲や骨折ですが
まれに尾てい骨にも腫瘍ができることがあります。

 

今回は尾てい骨に
できる腫瘍についてご紹介します。

 

尾てい骨にできる腫瘍とは?

 

尾てい骨にできる腫瘍には
馬尾腫瘍という腫瘍が多いです。

 

・馬尾腫瘍とは

 

馬尾腫瘍とは正式名称を
脊髄硬膜内髄外腫瘍と言います。

 

馬尾腫瘍は脊髄にできる腫瘍の
15〜20%を占める腫瘍です。

 

尾てい骨は脊椎の末端にあたりますが、
脊椎の末端には馬尾と呼ばれる
神経の末端があります。

 

そこにできる腫瘍をまとめて

 

「馬尾腫瘍」

 

と呼びます。

 

脊髄を包む硬膜という膜の内側にでき、
脊髄神経側にできるものを神経鞘腫、
脊柱管硬膜側にできるものを髄膜腫と言います。

 

馬尾腫瘍では神経鞘腫が多いです。

 

馬尾腫瘍と診断を付けるためにはまず、
レントゲンを撮影し、
造影剤を用いてMRIをとります。

 

レントゲン写真では、
椎骨と椎骨の間が拡大し、
脊柱管という神経が通る管の変形や

 

脊柱が異常に曲がる
などの所見が見られます。

 

こうした画像診断で馬尾腫瘍と診断が付きます。

 

・馬尾腫瘍の症状

 

馬尾腫瘍は腰痛や尾てい骨痛が現れます。

 

馬尾神経は下肢や泌尿器、
生殖器などの神経が束になっている部分です。

 

ぞのため、進行すると下肢の筋力低下や
陰部の知覚障害、排尿・排便障害を生じます。

 

体位によって痛みの程度が
変化することが特徴で、
あおむけに寝た時に痛みが増強します。

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馬尾腫瘍の症状は腰椎椎間板ヘルニアや
腰椎症などとよく似ており、
これといった特徴がありません。

 

そのため、腰椎椎間板ヘルニアや
腰椎症と誤診されたり、症状が軽いから

 

といって放置されてしまって
発見が遅れることがあります。

 

馬尾腫瘍は進行すると神経障害をきたすため、
早期発見と早期治療が非常に重要です。

 

・馬尾腫瘍の治療

 

馬尾腫瘍はほとんどが良性の腫瘍ですので
緊急手術を要する場合はほとんどありません。

 

MRIなどで偶然馬尾腫瘍が見つかり、
無症状である時には外来で
経過観察となる場合もあります。

 

しかし、自然に縮小する腫瘍では
ありませんので治療としては手術での
摘出が基本となります。

 

腫瘍があまり大きくならないうちに
発見できれば、全摘出して根治も可能です。

 

しかし、腫瘍が大きくなりすぎている
場合には、腫瘍によって神経が圧迫され、
傷んでしまう場合があります。

 

神経が圧迫されると下肢の知覚障害や
しびれが現れることがあり、傷んだ神経を
元通りにすることが難しい場合もあります。

 

手術の後は腰への負担をかけないように
するためにしばらくはコルセットを着用します。

 

術後の経過としてはほとんどの症例で
術前にあった下肢の痛みや
尾てい骨付近の痛みは消失しています。

 

ですが、術後に下肢のしびれが
残存する事例も多くあります。

 

馬尾腫瘍は良性である場合が
約95%ですので再発はほとんどありません。

 

しかし、腫瘍の種類が神経鞘腫や
髄膜腫ではなく、乳頭状上衣腫や

 

傍神経節腫、類上皮腫などの
珍しいタイプの腫瘍では
再発をすることがあります。

 

このように、尾てい骨周辺には
馬尾腫瘍という腫瘍ができることがあります。

 

良性の腫瘍ですが、
放置して大きくなると神経障害や
排尿障害を引き起こしてしまいます。

 

早めの治療が必要になるので、
自分の体調の変化に敏感になり
すぐに受診しましょう。

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